ラ・パデラ(イタリアンレストラン)
ラ・パデラ(イタリアンレストラン)
栃木県宇都宮
この建物は30数年前(1980年?)に設計した思い出深い建物です。
建築士の資格を取得後、初めて頂いた店舗併用住宅の新築の設計でした。
ラ・パデラはフライパンという意味でかしこまったレストランではなく気軽に家庭的な雰囲気の中で食事を楽しむ。というコンセプトでデザインが始まりました。
建物がブルーなのは地中海の青い空と青い海を表現しています。
店舗入り口部分
イタリアの街路を表現しています。遠近感をさらに感じるように奥に行くにしたがって絞り込んでいます。枠の中には薄く切った大理石がはめ込んであります。夜になり裏側から光を当てると大理石を透過して光が見えるようになります。
2階店舗部分
床は無垢のフローリング、腰壁に大谷石、上部は石膏プラスター塗り、
曲面のサッシュにガラスブロックを入れ込んだ。テーブルは厚い松の板を加工して作った。
家庭的な雰囲気を出すためによそ行きの顔にならないように素朴な感じになるように作ってもらった。年を経るごとに美しく古くなり、味の出てくる素材を使用するようにした。それが本物の料理を食べる場所には必要なものと考えた。ブイヤベースは逸品でチンザーノとよく合うことを覚えたお店となった。
1階店舗部分
1階、2階供同じ素材で仕上げた。
3階部分の住宅の廊下から屋上へ出るための階段とトップライト
店舗併用住宅の場合住宅の生活感をいかに外に出さないようにするかがデザインの一つのポイントになってくる。
2017年の10月に開店30周年の記念パーティーが行われた。お花をもって久しぶりに訪れた。少しお店は縮小したものの30年の歳月が材料にしみこみ料理の味を更に美味しくしていた。これからも美味しい料理を宜しくお願いいたします。