栃木県立博物館収蔵庫
公共建築物

この建物は、文化庁承認の「公開認証施設」として国宝・重要文化財なども収蔵できる最適な環境を整えることが求められました。その特殊性と省エネの観点から、内部環境が外部環境の影響を受けないようにすることが、私たちに求められた最大のテーマでした。又同時に機能だけを備えた巨大なコンクリートの箱が、住宅地に面して剛毅朴訥(ごうきぼくとつ)に建つのではなく、見た目にも優しく、威圧感を与えずに環境に溶け込み、収蔵庫としての表現をどのようにするかが、設計者として取り組むべき、もう一つのテーマでした。長期的な防水メンテナンスフリーと漏水を防ぎ、太陽熱を防ぐ観点からRC増の屋上に鉄骨の置き屋根で建物を覆い、外壁面には影を作り通風性を得るためにアルミルーバーを使用しました。建物のコーナー部分にはR加工した有孔折版パネルを使用して柔らかさを表現し、収蔵施設を暗喩するものとして、又収蔵物をしっかり守るものとして最も適切な材料として最下層の部分は県内で広く蔵に使われてきた地元産出の大谷石を使用しました。収蔵庫内部は二重壁としてそれぞれ独立した空調機が働き、温度、湿度を調整しており、災害時に電気供給が止まった場合でも収蔵品に悪影響が出ないように湿度がそのまま数週間は保たれる材料を採用しています。中央公園の景観に溶け込み、既存博物館の色調とも調和がとれた収蔵庫を作ることができたと思います。
- 北西より建物全体を見たところ。収蔵庫は右奥にあります。
- 南西側より栃木県立博物館収蔵庫を見ています。
- 南西側より収蔵庫を見る
- 南側外観。格子部分にアルミルーバー。コーナー部分にR加工した折版。腰の部分に大谷石を貼っている。
- 北西外観
- 水槽室兼作業室
- 飼育栽培室 結露を防ぐため壁には断熱塗料を塗布した。
- メイン玄関風除室 右の通路は本館への連絡通路
- 本館部分改修した連絡通路
- ハロンボンベ室を移動改修した。
- 本館改修:湯沸かし室
- 本館改修:女子便所
- 本館改修:男子便所
- 荷捌き・荷受け室
- 荷捌き・EV
- 一時保管室
- 1階:前室
- 1階:民族第3収蔵庫
- 1階:生物収蔵庫
- 2階:ホール
- 2階:前室(昆虫収蔵庫)
- 2階:昆虫収蔵庫(メザニンラック)
- 2階:昆虫収蔵庫
- 2階:前室(地学第2収蔵庫)
- 2階:地学第2収蔵庫
- 2階:地学第2収蔵庫
- 3階:ホール
- 3階:前室
- 3階:動物収蔵庫
- 3階:動物収蔵庫
- 3階:植物・菌類収蔵庫
- 3階:植物・菌類収蔵庫
- 階段室
- 地下:機械室